むくみ対策に着圧ソックスを着用しているけど、思うように効果が出ないという方もいるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが弾性ストッキングとも呼ばれる医療用の着圧ソックス。
今回は、そんな医療用着圧ソックスの一般用との違いや効果、選び方を解説し、おすすめの人気商品をご紹介します。
医療用着圧ソックス(弾性ストッキング)とは?
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医療用着圧ソックスは、足首から段階的に圧迫圧をかけることによりふくらはぎの筋ポンプ作用をサポートし、足のむくみや血行を改善する効果があります。特に下肢静脈瘤の治療と進行予防を目的に用いられます。
医療用着圧ソックス、弾性ストッキングなど呼び方はさまざまですが、一般的に弾性ストッキングといえば医療用を指していることが多いです。
医療用着圧ソックスと一般用の違い
市販されている着圧ソックスは、医療用弾性ストッキングと一般の着圧ソックスに分かれます。
弾性ストッキングは一般医療機器
医療用の弾性ストッキングは、一般医療機器に分類され、医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ届出を行っている製品となります。すなわち血行の促進やリンパ液のうっ帯の軽減などを目的に使用される製品として認証を取得している製品です。
一般医療機器は、医療機器の中でもっとも人体へのリスクが少ないクラスIに分類され、製品によって不具合が生じても人体へのリスクが極めて低いとされているものになります。
圧迫圧が違う
一般用と医療用着圧ソックスの大きな違いとして、圧迫圧の違いがあります。
一般用の着圧ソックスは、圧迫圧が20hPa以下のものがほとんどなのに対して、医療用の弾性ストッキングは27~40hPa以上の圧迫圧がかかります。十分な圧迫圧で下肢静脈瘤やひどいむくみの治療に高い効果が期待できます。
どちらも市販で購入できる
実は、医療用の弾性ストッキングも医師の処方がなくても市販で購入が可能です。
ただし、弾性ストッキングが必要なほど足に異常がある場合には、まずは医者にかかり、症状を診察してもらった上で着用すべき適切な圧迫圧、サイズの弾性ストッキングを選んでもらった方が良いでしょう。
メディキュットの医療用の違いは?
例えばドクターショール発、着圧ソックスの人気リーディングブランドである「メディキュット」にも、通常の着圧ソックスの他に一般医療機器として認定を受けた医療用着圧ソックスを市販しています。
メディキュットの医療用もやはり圧迫圧が高く設計されており、おうち用でも足首の着圧が29hPa、ふくらはぎが20hPaとなっています。むくみの改善、血行促進、リンパ液の流れの改善が効果効能として謳われており、ひどいむくみなどでお悩みの方には医療用がおすすめです。
医療用着圧ソックス(弾性ストッキング)の効果
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一般医療機器にあたる医療用の弾性ストッキングは、主に疾病の治療や予防に用いられます。
下肢静脈瘤の治療と予防
下肢静脈瘤とは、血流が停滞し血液が溜まることで毛細血管が浮き出ていき、次第にふくらんでこぶのようになる症状です。弾性ストッキングは足首から上にかけて段階的に圧力をかけることで血液の流れをサポートし、下肢静脈瘤、血液のうっ滞を予防するために用いられます。
ただし、症状に応じて適切な圧力が異なるため、足に明らかな異常がある場合は、医師の診断によって適切な圧力のストッキングを選んでもらう必要があります。
むくみや血行の改善
むくみとは、細胞間に余分な水分(体液)が溜まっている状態のこと。静脈やリンパ液の循環が悪くなるとむくみが発生する原因となります。
デスクワークなどふくらはぎの筋肉を長時間使わないと、ふくらはぎの筋ポンプ作用が悪くなり、血流も悪化しますが、医療用着圧ソックスで適切に圧迫することで、血液の流れをサポート、むくみの解消につながります。また、静脈の血管径を縮小させる作用も働き、血行を促進させる効果もあります。
寝るときよりも日中に履く
弾性ストッキングは最も足に負担がかかっているシーンでの着用がメインになります。すなわち日中の立っている時や歩いている時です。寝るときや自宅で履いた方が良いと思われるかもしれませんが、横になっている時は心臓と足の位置がほぼ同じ高さにあります。したがって血液も流れやすい状態であり、高い圧迫圧は必要とされません。
そのため、足の血液が重力に逆らって流れなければいけない、立っている時や座っている時のほうが必要性としては高くなります。着用のタイミングも製品によってさまざまですので、医師の助言に沿って決めると良いでしょう。
医療用着圧ソックス(弾性ストッキング)の選び方
弾性ストッキングを選ぶ際には、チェックしておきたいポイントをご紹介します。
圧迫圧で選ぶ
弾性ストッキングにも圧迫圧の程度があり、弱圧、中圧、強圧の3段階があります。それぞれの圧力値の目安は以下の通り。
- 弱圧:20mmHg(27hPa)
- 中圧:32mmHg(40hPa)
- 強圧:40mmHg(53hPa)
見ての通り強圧になるにつれて、圧迫圧も高くなり締め付けも強くなります。圧迫圧が強くなるほどトラブルが起こる可能性が高くなると言えますので、医療用弾性ストッキング初めてという方は、まずは弱めの圧迫圧のものから試してみることをおすすめします。弱圧のものは各メーカーから市販されているので、気軽に入手することができます。
長さはひざ下タイプがおすすめ
弾性ストッキングには、長さがひざ下までの「ソックスタイプ」、太ももまでの「ストッキングタイプ」、ウエストまでカバーする「パンティーストッキングタイプ」があります。
カバーできる範囲が多ければ多いほどいいと思われるかもしれませんが、むくみなどの改善には筋ポンプの役割を担うふくらはぎのサポートが最も重要となります。さらに一般の着圧ソックスに比べ圧迫圧が高い分、履きにくいのも医療用の特徴です。
長ければ長いほど履くのも大変になるので、まずは継続できるようひざ下までの長さのソックスタイプがおすすめになります。
最適なサイズのものを選ぶ
圧迫圧のみならず、サイズによっても締め付け感が変わってくるため、適切なサイズのものを選ぶことも重要なポイントです。
ほとんどの場合、添付文書やパッケージにサイズを決める上で参考となる足の各部位の周囲の長さが記載されているので、自分の足の周囲のサイズを計測した上で適切なサイズを選択できるようにしましょう。
医療用着圧ソックス(弾性ストッキング)のおすすめ人気7選
ここからは、市販でも購入できるおすすめの医療用着圧ソックスをご紹介します。症状がひどい場合などは、必要に応じて医師にかかって最適な圧迫圧やサイズの着圧ソックスを選んでもらうようにしましょう。
メディキュット|メディカル リンパケア ひざ下つま先なし
大人気シリーズのおうち用メディカルタイプ
ドクターショール発、家庭用着圧ソックスの大人気シリーズ「メディキュット」のおうちでの使用におすすめのメディカルタイプです。通常のメディキュットに比べ圧力が強く、足首の29hpaからふくらはぎの20hpaまで段階着圧設計になっています。
ひざ下までのソックスタイプ、つま先なしのオープントゥなので、ムレずに夏でも快適に使用することができます。在宅中に家事などの立ち仕事が多い方や座っている時間が長い方におすすめです。他の弾性ストッキングに比べて安価であるため試しやすいのも特徴です。
タイプ | ひざ下 つま先なし ※ロング、スパッツタイプもあり |
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着圧値 | 足首:29hPa ふくらはぎ:20hPa |
素材 | ナイロン, ポリウレタン |
メディキュット|メディカルリンパケア ハイソックス 高圧力タイプ
おそと用におすすめの高圧力タイプ
同じく大人気ブランド「メディキュット」のメディカルシリーズで高圧力のタイプです。おうち用よりも圧迫圧が高く、足首が35hPa、ふくらはぎが21hPa、ひざ下までのソックスタイプです。縦と横にストレッチする特殊製法の素材を採用し、メッシュ編みとリブ編みの2段構造で脚にしっかりフィットする設計になっています。
日中お外での使用におすすめのタイプ。ひどいむくみをお持ちの方や、シニア世代の方にもおすすめのアイテムです。
タイプ | ハイソックス つま先あり |
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着圧値 | 足首:35hPa ふくらはぎ:21hPa |
素材 | ナイロン, ポリウレタン |
スリムウォーク|メディカルリンパ ショート
人気ブランド「スリムウォーク」のおうち用におすすめの高着圧タイプ
着圧ソックスの人気ブランド「スリムウォーク」のメディカルタイプです。高着圧タイプで、足首が最大33hpaでふくらはぎが最大23hPaの段階圧力設計になっています。また、高着圧だけでなく、V字テーピング設計やふくらはぎ部分のパワー収縮機能により、さらにむくみ、血行の改善をサポートします。
生地にはストレッチ性が高いライクラファイバーを使用することで、気持ち良いは着心地を実現。つらいむくみの改善におすすめの弾性ストッキングです。
タイプ | ハイソックス つま先なし |
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着圧値 | 足首:27-33hPa(最大33hPa) ふくらはぎ:17-23hPa(最大23hPa) |
素材 | ナイロン, ポリウレタン |
スリムウォーク|メディカルリンパ ストッキング
日中や仕事中に使いやすいストッキングタイプ
スリムウォークメディカルリンパシリーズのストッキングタイプ。オフィスワークなど仕事中も使いやすいデザインで、日中からむくみケアをしたい方に最適なタイプです。
芯のポリウレタン糸にナイロン糸を二重に巻いたDCY(ダブルカバード糸)を採用しているので、丈夫で破れにくい設計になっています。さらに、そけい部はゆったりした設計で履き心地がよく、お腹周りの引き締めやヒップアップなどスタイル補正にも使える1着です。
タイプ | ストッキング つま先あり |
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着圧値 | 足首:18-24hPa(最大24hPa) ふくらはぎ:13-19hPa(最大19hPa) 太もも:7-13hPa(最大13hPa) |
素材 | ナイロン, ポリウレタン |
VENOSAN(ベノサン)|7000 医療用弾性ストッキング
強い着圧力が特徴のベノサン7000シリーズ
ベノサンは実際に医療現場でも使用されているスイス発の弾性ストッキングのリーディングブランド。ベノサン7000シリーズは、強い着圧力が特徴で足首の圧力が37.5〜40hPa。医療現場でも使われているタイプです。
市販品とは違い、高い圧と伸縮性、履きやすさを両立しており、肌にストレスをかけず、通気性、防臭に優れた素材、構造をを採用しています。価格は高くなりますが、それに見合う機能性を兼ね備えたひどいむくみにおすすめの医療用弾性ストッキングです。
タイプ | ハイソックス つま先あり ※つま先なしタイプもあり |
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着圧値 | 足首:37.5~40hPa |
素材 | ー |
アルケア|アンシルク・3 ハイソックス つま先なし
日本人の体型に基づいて設計された弾性ストッキング
日本のメディカルケア用品メーカー「アルケア」が製造しているアンシンクシリーズは、日本人の体型に基づいて設計されている弾性ストッキングです。アンシルク・3はシリーズの中でも高い着圧力が特徴で、足首は40hpaの圧迫圧で強い圧迫感が得られます。
薄手で柔らかい生地を採用しているため、毎日快適に履くことができ、オープントウタイプは長時間の着用でもムレを軽減してくれます。
タイプ | ハイソックス つま先なし |
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着圧値 | 足首:40hPa |
素材 | ナイロン, ポリウレタン |
アルケア|アンシルク・3 ストッキング
シリーズの中でも高着圧のストッキングタイプ
同じくアルケアが展開する弾性ストッキングの太ももまでカバーするストッキングタイプ。シリーズの中でも最も高い着圧力を誇るアンシルク・3シリーズで、しっかりとむくみなどのケアができます。
強い圧迫感の中でもつま先はオープンにすることで、つま先の圧迫は軽減し、快適に長時間着用することができます。脚全体を広範囲にケアしたい方におすすめのタイプです。
タイプ | ストッキング つま先なし |
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着圧値 | 足首:40hPa |
素材 | ナイロン, ポリウレタン |
関連アイテムをチェック!
一般用の着圧ソックスも気になるという方は、おすすめの商品を紹介したこちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
まとめ
今回は、医療用着圧ソックス弾性ストッキングの特徴やおすすめの商品をご紹介しました。一般の着圧ソックスとは違い、高い圧迫圧でむくみの解消などにより高い効果が期待できる弾性ストッキング。
定番のメディキュットやスリムウォークをはじめ、複数の人気メーカーから医療用着圧ソックスは販売されていて、市販で購入することができます。商品によって圧迫圧が変わってくるので、ご自身の症状に合わせて最適なものを選んでくださいね!
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